世界遺産とは?

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■世界遺産とは何か?
 世界遺産とは、未来に残すべき、人類の資産です。
 世界遺産を管理しているUNESCO(国連教育科学文化機関)では、世界遺産を、遺跡、景観、自然など、人類が共有すべき「顕著な普遍的価値」を持つ物件と定義しており、2016年現在、1052件が登録されています。
 世界遺産に登録されているものとしては、ピラミッドや万里の長城、日本では広島の原爆ドームや東大寺大仏などの、人口建造物や、日本の白神山地や、ポルトガル、マデイラ島の照葉樹林など、自然や景観に関するものがあります。
 いずれも、まさに人類の宝と呼ぶべきものであり、保護の必要があります。しかし、自然遺産は、地球環境の変化によって、そして、文化遺産も、紛争などによって破壊されることがあり、大きな問題になっています。

■世界遺産の選ばれ方
 世界遺産は、1972年にユネスコ総会で採択された「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約(世界遺産条約)」に基づいて、世界遺産委員会が最終的に登録を決定します。
 日本でも、世界遺産に登録申請しながら登録できなかったケースは多く、その審査は厳しいことで知られています。
 一時は、日本の候補が落ち続けることから、世界で増えすぎた世界遺産の数を抑制するため、世界遺産への登録基準は厳しくなっている、と言われますが、実際にはそのようなことはないようです。
 ただし、第8代ユネスコ事務局長松浦晃一郎は、あまり数が増えすぎても管理や保全、そのモニタリングが行き届かないとして、1500~2000が上限であろう、と述べています。
 選ばれる国の偏りも指摘されており、特に、ヨーロッパの先進国などは、世界遺産委員会に参加した時期が早かったこと。そして、気候や建築の特徴などによって、現代に多くの遺産が残っており、結果的にこれらの国に文化遺産が集中する、という問題もあります。
 そのため、世界遺産委員会は、グローバル・ストラテジーを打ち出し、世界のさまざまな地域から選出するようにしています。

■日本の世界遺産
 日本には、現在20の世界遺産があります。その内訳は、文化遺産16。自然遺産4です。その中でも、2016年に登録されたル・コルビュジエの建築作品は、近代建築運動への顕著な貢献が認められたもので、ニュースなどでも多く取り上げられ、目にされた方も多いでしょう。
 日本では、世界遺産に登録されると、観光客が大きく増えることもあり、観光地化を目指す多くの自治体が世界遺産登録を目指します。
 ですが、白川郷のように、世界遺産に登録されることで観光地化が進み、結果的にその地にすむ人々の生活の邪魔になってしまうことがあります。
 確かに、世界遺産は見たい。その気持ちは誰にでもあると思います。ですが、文化遺産にせよ、自然遺産にせよ、人が訪れれば訪れるほど、破壊される可能性も大きくなります。
 節度をもって訪れ、その遺産を尊重することが大切ですね。

■これからの世界遺産
 日本ユネスコ協会連盟は、新しくユニークで、効果的な取り組みをはじめました。その名は、「未来遺産運動」。
 世界遺産が、すでにある「モノ」を登録していくのに対し、未来遺産運動は、その「モノ」を守ろうとする、「ヒト」や「プロジェクト」を支援しようという運動。
 なる程、確かに、いかに世界遺産が貴重とはいえ、それを守るのは、「ヒト」。しかし、自然遺産や文化遺産の保護が難しい国や地域もあります。
 ですので、そういった世界遺産を守ろうとする人を応援しよう。未来遺産運動の基本的な考え方です。
 未来遺産運動では、危機にある遺産や、生物多様性などを、その地域にいる人たちが、息長く支援していく活動を支援します。補助金が交付されるほか、その地域への専門家の派遣などの援助が得られるため、この活動を、地域の活性化にもつなげていけるでしょう。
 私達が生活していく中で、過去から受け継がれた遺産を、未来につなげていく事は大切なことです。少しでも、興味を持っていきたいものです。